『モンゴル』浅野忠信インタビュー
- mongoliawalker
- Feb 8, 2022
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できないとは言わない、とにかく100パーセント頑張る

取材・文:吹田惠子 写真:秋山泰彦
12世紀モンゴルに生まれた一人の少年が、対立を繰り返す部族間の抗争を闘い抜き、一大帝国を築くまでを壮大なスケールで描いた歴史大作『モンゴル』。ロシアの精鋭、セルゲイ・ボドロフ監督が総製作費50億円をかけ、ドイツ、ロシア、カザフスタン、モンゴルの4か国合作で作り上げた叙情詩は、第80回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたことでも話題を呼んだ。本作でチンギス・ハーンを演じた浅野忠信が、足掛け2年に渡って行われた撮影の秘話を存分に語ってくれた。
ロシア人監督が描くチンギス・ハーン
Q:本作に出演を決めた理由を教えてください。
まずロシア人の監督が、モンゴル人の映画を日本人を使って中国の内モンゴル自治区で撮影するのが面白いと思ったんですよ。それでセルゲイ・ボドロフ監督にお会いして、とてもソフトで魅力的な人だと思って、ぜひ一緒に仕事をしたいと思いました。
Q:ロシア人の監督がどうしてチンギス・ハーンの映画を撮ったのでしょうか?
監督にどうしてかは聞いたことがないんです。監督は出身地がカザフスタンに近いそうなんですが、カザフスタンには顔が日本人とそっくりな人が多い。僕らが思う以上にロシアの人はモンゴルが近い存在なのだろうと思いました。
Q:セルゲイ・ボドロフ監督はどんな人でしたか?
監督は優しすぎるくらい優しくて、現場ではドシンと座って客観的に全体を眺めている人でした。でも、この監督は何かしら形にするなっていう妙なパワーを感じていました。完成した作品を観たときは、すごくきちっとした映画に出来上がっていたので感動しました。たくさんトラブルが起こったあの混沌(こんとん)とした状況の中でも、細かいことに惑わされずに自分の中の何かを静かに突き進めていたんだということがわかったんです。
Q:チンギス・ハーンを演じてみて、彼のどんなところに魅力を感じましたか?
何があってもあきらめずに家族のために生きる、そして自分の周りの人間を血のつながった家族でなくても家族として平等に扱うところですね。テムジン(後にチンギス・ハーンとなる、浅野の演じた役名)にとって親や家族から教わるものがすべてで、それが唯一信じられるもので、その中で自分がどう生きるかを常に考えていたと思う。自分も家族を作って家族に教えてもらったような生き方をしないといけないと思っていたと思うし。僕もこういう風に考えないといけないなと思ったし、男としてあこがれました。
乗馬での撮影ではハプニング満載!
Q:チンギス・ハーンを演じるにあたってどのような役作りをしたのですか?
監督からは特に細かい演出はありませんでした。僕自身も資料を集めることはしませんでした。台本に書かれている通りに、僕なりに解釈して演じただけです。ただモンゴル語の勉強と馬のけいこは徹底的にやりました。
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