(ミュージック・シーン) モンゴルに突如現れた匈奴ロックバンド「The HU」とはいったい何者なのか※以外「BUZZAP!」のサイトより抜粋

単にエスノ・ロックと呼べない凄みを感じさせます。詳細は以下から。
人間がいれば必ず音楽があるように、世界のどこにでもロックンロールは存在しています。ですがモンゴルからこのような音楽が届けられることを誰が予想していたでしょうか?
The HUはモンゴルのウランバートルのロックバンド。2018年9月に最初の楽曲「Yuve Yuve Yu」をアップ。これまでに820万再生を突破しており、11月にアップした「Wolf Totem」も420万再生となっています。いったい彼らは何者なのでしょうか?
The HUは自らを「Hunnu Rock Band(匈奴ロックバンド)」と名乗っています。匈奴は紀元前209年にモンゴル高原を中心とした中央ユーラシア東部に一大勢力を築いた遊牧国家の名前です。音楽としてはヘビーメタルに近いと言えるのでしょうか。
まずは強烈なヴィジュアルに目を奪われる「Wolf Totem」の映像をご覧下さい。
レザージャケットに骸骨の指輪の完全にイカツイ野郎共がデカいバイクでモンゴルの高原に終結するという、この上なく凄まじいインパクトでPVは始まります。
メンバーは馬頭琴やトブショールといった民族楽器を演奏し、モンゴルの喉歌として有名なホーミーも演奏に取り入れられています。
なお、4人のメンバーは全員Mongolian State conservatoryでモンゴルの民族楽器の正統教育を受けているとのこと。歌詞の内容としては「匈奴ロックバンド」という名前からも分かるように、モンゴルの民族としてのプライドの復興と言えるでしょう。
最初の楽曲「Yuve Yuve Yu(字幕での訳は『How Strange』)」のPVは冒頭で西洋化し、「堕落」した現代モンゴルの様子が描かれ、その後広大なモンゴル高原で演奏するメンバーの映像へと繋がります。
歌詞としても最初から「長く自堕落な飽食に酔いしれながら偉大なモンゴルの祖先の名を軽々しく口にしている」と直球を投げ込んでおり、現代の世相の批判と立ち戻るべきルーツとしての遊牧民族の歴史と生き様が歌われます。
ただし、ロックバンドという形をベースにしながら音楽を作り上げるスタンスや、「Wolf Totem」のバイカーたちの描写を見るに、単なる懐古主義と呼べるものでもありません。あくまで現代に生きるモンゴル人としての姿勢や、精神的支柱とすべき拠り所が模索されています。
ある意味では、彼らの音楽の成り立ちはレゲエのようなブラックミュージックに近いと言えるのかもしれません。