モンゴルにもジンギスカン料理はあるの?
モンゴルの羊肉料理と日本のジンギスカン料理は全くの別物です。また、ジンギスカン料理が生まれたのが北海道であるというのも誤りです。ジンギスカン料理の発祥、歴史については下記を参照願います。

【ジンギスカン料理の歴史】
起源については俗説で「かつてモンゴル帝国を率いたジンギスカン(チンギス・カン)が遠征の陣中で兵士のために作らせた」と説明される場合もあるが、実際にはモンゴル国の料理とはかけ離れており、日本発祥の料理であると言われている。ジンギスカンという料理の命名自体は、源義経が北海道を経由してモンゴルに渡ってジンギスカンとなったという伝説(義経=ジンギスカン説)から想起したものであるとも言われている。
日本では1918年(大正7年)に軍隊、警察、鉄道員用制服の素材となる羊毛自給をめざす「緬羊百万頭計画」が立案された。その早期実現のために羊毛のみならず羊肉をも消費させることで、農家の収入増加と、飼育頭数増加が企図され、その流れの中からジンギスカンが出現したものと考えられている。当時の日本人には羊肉を食べる習慣がほとんどなく、日本で受け入れられる羊肉料理を開発する必要に迫られ、農商務省は東京女子高等師範学校(お茶の水女子大学の前身)に料理研究を委託している。
一説には、ジンギスカンの起源は日本軍の旧満州(現中国)への進出に関係しているとされ、中国料理の「烤羊肉」(コウヤンロウ、カオヤンロー)に影響を受けたという説もある。ジンギスカンという料理の名前の由来については、東北帝国大学農科大学(北海道大学の前身)出身で、満洲国建国に深くかかわった駒井徳三が、1912年(大正元年)から9年間の南満州鉄道社員時代に命名したものであるとする説があり、この説は駒井徳三の娘の満洲野(ますの)が1963年(昭和38年)に発表したエッセイ「父とジンギスカン鍋」が根拠となっている。
最初のジンギスカン専門店は1936年(昭和11年)に東京都杉並区に開かれた「成吉思(じんぎす)荘」とされる。他にも、山形県蔵王温泉や岩手県遠野市等がそれぞれ、上記の東京や北海道のものとは発祥を異にする、独自のものとしてのジンギスカン鍋の起源を主張している。
北海道における本格的な普及は第二次世界大戦後のことであると言われている。