主人の帰りを待っているのか?家族であり、友であり、そして頼れるスタッフであるモンゴル犬。

モンゴル犬
これが純血のモンゴル犬である保証はないが、これと同種の犬が、大抵どの遊牧民ゲルでも一頭以上飼われている。
モンゴル犬はペットではない。いわゆる使役犬だ。ゲルの家族と家畜を外敵から守り、仕事を助けるという重大な責務を負っている。牛や羊を追うときも、一頭も脱落者がないように、気配りしながら動き回る。そんな光景を見ると感動的でもある。
その代わり鎖に繋がれていないので、普段は自由そのもの。どこにいるか分からない時すらある。ところが一旦新参者や外敵が来たら、どこからともなく現れ、激しく吠えて威嚇する。これでは牛泥棒も近寄れない。家畜を襲う自分より大きな狼とも、命を投げ打って戦うそうだ。
旅行社の人も、噛みつかれるから犬に近寄らない方がいいというが、心にやましさがある人はそうした方が良い。しかし、一旦敵ではないと認識されると、これほど人懐っこい動物はいない。ずっと友達でいられる。