『蒙古襲来絵詞』
もうこしゅうらいえことば

日本で学校教育を受けた方なら、日本史の授業等で、一度はご覧になったことがある絵だと思う。
言うまでもなく、文永と弘安の役、いわゆる元寇を記録した絵詞で、本来は2巻の巻物からなる。
当時の肥後の御家人竹崎季長(たけざき·すえなが)が、誇るべき自分の軍功を、後世に残すために、お抱えの絵師(今で言えば従軍カメラマンになるのかな?)に描かせたものと言われている。
おそらく、この元寇が、歴史上初めて、日本人とモンゴル人(実際はモンゴル、高麗、南宋の連合軍だったらしい)が、直接対面した出来事ではないだろうか。戦闘という不本意な邂逅だったにしても。
その時のモンゴル人と日本人の様子が、表情まで読み取れる位に、克明に描かれている。
まるで、タイムスリップしたかのように、元寇の様子が見て取れるという点で、他に類を見ない。
で、なぜ今回この「蒙古襲来絵詞」を採り上げたかというと、当絵詞が「国宝」になったのが、つい昨年、2021年の7月だと知ったから。
私はとっくの昔に「国宝」になっていると思っていました。


