モンゴル詩人R.チョイノムについて

今日は、近現代モンゴル文学の主要な詩人R.チョイノムの生まれた日です。そこで彼の書いた詩をご紹介します。
レンチニー・チョイノム Renchinii Choinom (1936-1979年) 2月10日に現在のヘンティー県ダルハン郡に生まれる。1961年、処女詩集『青春』を出版。1964年、詩的ロマン 『人間』を出版。1969年、「反国家的扇動および宣伝」の罪で逮捕投獄。 1973年、釈放。1979年、結核のため病死。1990年、名誉回復し国家賞を追加授与されました。
自分で自分に読むための詩
(ぼくは腹が立ってしかたがない)
ぼくは腹が立ってしかたがない
この幼い年を重ねれば重ねるほど
国の愚かさを見れば見るほど
ぼくの怒りは思わず燃え上がる
ぼくは怒りをもたずに母から生まれた
男として成人するまで怒りをもたずに生きてきた
凡庸な哲学者でも理解できるほど怒りをもたずに生きてきた
でも結局ぼくは憤怒のとりこになってしまった…
…同じ時代に育った同世代の人びと
同じ釜の飯を食べた兄弟たち
同じ苦悩を背負った民衆たち
一生涯信じつづけた国家
金箔で塗り固めて凡庸な人を評価する
流した血によって貧しき民が創造する
この原子の世紀を誰もが知っている
その最悪の公式を知ったときにもぼくの怒りは湧き上がる…
・・・
上の文章は「モンゴル文学への誘い」という本から引用しています。